ジョン パーキンス 古草 秀子
東洋経済新報社 (2007/12/14)
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エコノミック・ヒットマンとは初めて聞いたが、第3世界(発展途上国)への、米国による経済援助の施策について「もっともらしく」分析し、世界銀行等の国際金融機関から当事国への融資を取り付け、肝心の水道、電気等のインフラ環境整備のための工事はすべて米国企業へは注するための道筋をつける「エコノミスト」のことらしい。
著者は70年代よりエクアドル、パナマ、イラン等「危険な」地域に足を踏み入れ、何故か現地の人に信頼されて自分の行っている欺瞞にあらためて気づき、それを告白・懺悔し、これ以上米国が発展途上国の人々を不幸に陥れないためにペンと取ったという。
すでにこの手の話は911テロ以降(ブッシュ家がビン・ラディン家と懇意にしていた等)、よく耳にしてきたが、当該企業にぞくしていた民間人による告発である、という点が興味深い。
マイケル・ルイス
パンローリング (2005/12/17)
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米投資銀行、ソロモン・ブラザースに勤めた著者が、同社の舞台裏をつづった本。以前から投資銀行の汚さ、つまり自分達が期せずして抱えてしまった、碌な価値もない金融商品を投資家に押し付けて自分達が利益をむさぼる等については聞いてきたが、本書でも同様なことが書かれている。今でもそうなのかな。きっと変わっていないのだろう。
進藤 典男 菅 裕明 隅蔵 康一 白楽ロックビル 平尾 一郎 村松 秀 元村 有希子 梶 雅範
丸善 (2007/11/01)
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複数の人たちによる共著。これから科学者を志そうという人(大学生?)向けに、科学者の生態、研究の現場の様子、科学者になるためのキャリアパスなどが解説されている。
興味を引かれたのは、研究費(外部資金)の配分システムを日米で比較したもの。審査のプロセスの舞台裏が書かれていて面白い。他には大学院生の生活について書かれた部分か。あ、この部分の担当者は白楽ロックビル先生ではないか。先日、一緒に入試の試験監督をつとめた人だ。この部分だけでもうちの院生に読んでほしいと思った。
小林 哲夫
講談社 (2007/12/19)
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色々な側面から大学ランキングを分析している。中には「こんなこと書いて大丈夫かいな」という位辛口のコメントがあり、他人の立場からは面白く読める。
私的には第4章「女子大生という名の商品」に載っているデータが大変興味深かった。
それと第8章「大学教員、職場の群像」。大学教員の給料のランキングが出ていた。「助教授・40歳」というデータがあり、それと比べるとうちの給料は・・・30位にも入っていない!というか、30位まですべて私立大学。あぁ、そうなんだ・・・
とどめは第11章「社会貢献か、目立ちたがり屋か」。この中で政府や省庁の審議会のメンバーとなる大学教員に対する分析がある。「審議会をかけもちする教員も少なくない」ということで、なんと一人で4つ、5つと審議会を掛け持ちする大学教員として実名をあげて7名紹介されているうち、本学からは一番エライ先生を含め3名も登場。「一人でこんなに専門分野を持っているとは思えず、節操がない。よほど政治がお好きなのか、税金の無駄遣いである」とまで言われてしまっている。ちなみにここで紹介されている7名のうち6名が女性。なんか審議委員を選ぶ立場の人々の意図が見え隠れしていて、健全とは思えない。
休日に「そうだ、そうだ」と相槌を打ちながら読むがちょうどよい本であろう。
江上 剛
幻冬舎 (2005/11)
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定年退職のその日を迎え、トラブルなく一日を過ごして退職金を満額いただくことだけを考えている、さえない銀行支店長を襲うトラブルの連続をコミカルに描いた作品。
まるでドタバタ喜劇のようではあるが、トラブルに巻き込まれた人、トラブルを起こす人の姿を通して銀行を取り巻く様々な問題点を浮き彫りにしている。客の金を横領して失踪する若手行員、右翼の嫌がらせ対策と称して銀行の金を流用する副支店長などなど、まぁ多分、実際にある話なのだろう。
著者の江上剛氏は元第一勧業銀行(現在みずほ銀行)の元エリート行員。90年代後半に同銀行でおきた、いわゆる総会屋事件でうけたダメージを回復するために他の3人の若手行員と共に当時の執行部の総退陣を要求、実現したいわゆる「4人組」の一人。この詳細は高杉良氏の「金融腐食列島・呪縛」に詳しい。役所広司の主演で映画化もされていたと思う。
本書は江上氏の普段の雰囲気とはちょっと違う、喜劇風タッチの小説だが、彼自身が恐らく経験してきた、もしくは見聞きしてきたであろう銀行の裏側を垣間見せる、興味深い作品。
佐藤 優
新潮社 (2006/05/30)
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元外交官・佐藤優氏の個人的な体験を通したソ連崩壊過程の様子をつづった本。佐藤氏が外務省に入省し、情報分析官として頭角を現す過程が記されている。モスクワで外交官としてのしていくためには酒豪でなくてはつとまらないのだそうだ。
麻生 幾
幻冬舎 (2007/08)
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久しぶりに読んだスパイ小説。実は私はスパイ小説が大好きだったりする。本書はどこかの書評で取り上げられ、高評価だったので読んでみたのだが・・・なんだかなぁ、という感じ。
尾行シーンが多いのだが(スパイ小説だから当たり前か)、追うほう、追われる方の技術の紹介はお見事。ただしストーリーは結局消化不良の感が否めない。エンターテイメントとしては、あまり面白くなかった
リー スモーリン 松浦俊輔
ランダムハウス講談社 (2007/12/13)
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偶然かどうか知らないが、以前
このエントリーで紹介した「ストリング理論は科学か」という本と同じ方向性で書かれた本。ストリング理論のコミュニティが抱える問題を指摘する点については、取り扱っているエピソードまで含めてそっくり。
基本的にはストリング理論の先駆的研究者達を認めながらもそのコミュニティが抱える問題を指摘し、「ストリング理論をやらずんば科学にあらず」という風潮(少なくとも日本では今時そんなことを堂々と言う人がいるとは思えないのだが)に警鐘を鳴らしている。まぁ確かに「ランドスケープ」なんていうのを、一般向けの本でさも大発見であり、有り難そうに語ることに対しては違和感を覚えるが。本書ではその首謀者の一人に対して「80年代にはすでに指摘されていたことを当時は黙殺し、最近になってさも大発見をしたように声高にさけぶスタンフォードの宣伝装置」という感じで辛辣に批判している。
いろんな(匿名か実名かに関わらず)物理学者のブログでの発言が紹介されており、それを覗いてみるのも面白い。
ドナル・オシア 糸川 洋
日経BP社 (2007/06/21)
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いわゆる「ミレニアム問題」の一つであった、ポアンカレ予想を証明したグリゴリー・ペレルマンのお話・・・かと思ったら全然違っていた。太古の昔から人々が取り組んできた数学の問題について丁寧に、歴史を追いながら解説されている。特に歴史を彩る天才数学者たちの人となりについて書かれている部分は興味をそそられる。その一方、数学の専門的な内容も遠慮なしに出てくるので、油断していると何もわからない。(油断しなくても、わからないが)
個人的にはもっとも知りたかった、ペレルマンの人物、その後については、本人が人を避けるようになって数学から足を洗ってしまったために取材ができず、ほとんど何もかかれていなかったのが残念。
内田 麻理香
講談社 (2007/12/20)
売り上げランキング: 4450
土曜日に近所の図書館に行ったら、予約していた本が5冊も届いていた。2週間以内に返さなくてはならないのだが、読みきれるだろうか・・・
ということで、その第一弾。理系の人なら知っているだろう、という有名科学者の、決して論文や教科書からは垣間見られない、人間味あふれる側面(著者の志向から恋愛関係が重視されているようだが)が紹介されており、とても楽しめる一冊になっている。授業のネタに使えそうなのだが、最近は担当しているどの科目でどのエピソードを話したのか忘れてしまうことも多いので、気をつけて使わないと。